保育園にもよりますが、保育士は意外と上下関係の厳しい世界です。筆者の妻が勤めていた保育園にも怖い先輩保育士がいて、高圧的な態度で新人保育士を圧倒していました。
では、先輩保育士からパワハラを受けた場合、どういう対処法があるのでしょうか?調べたことをまとめました。
-
勤務先が「ブラック保育園」だった!保育士に対してひど過ぎる4つの違法行為
勤務先の保育園が、「休憩時間は1分もくれない」「サービス残業が多すぎる」「パワハラが横行している」「辞めさせてくれない」…といったブラック保育園だった!保育士の過酷な労働現場とは?
続きを見る
「パワハラ」とは?
「パワハラ(パワーハラスメント)」とは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為を言います。
保育園であれば、先輩保育士や園長、理事長などが、新人保育士などに対して嫌がらせをすることがパワハラに当たります。
パワハラの判断基準
6つの典型例
パワハラは法律で明確に定義されていませんが、厚生労働省は以下の6つを典型例として整理しています。
- 身体的な攻撃:暴行・傷害
- 精神的な攻撃:脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
- 人間関係からの切り離し:隔離・仲間外し・無視
- 過大な要求:業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
- 過小な要求:業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
- 個の侵害:私的なことに過度に立ち入ること
保育士の場合
上記のパワハラの典型例を保育士にあてはめると、先輩保育士や園長などに
- 仕事でミスしたら叩かれた
- 「あなたは保育士に向いてない」などとひどいことを言われた
- 仲間外れにしたり、無視をして孤立させた
- 時間内に終わるはずのない仕事を押し付け残業させた
- 仕事を教えてくれない、仕事を与えてくれない
- 休日の過ごし方について、とやかく言う
などの行為が日常的にあり、精神的・身体的な苦痛を受けていたら、パワハラになります。
パワハラへの対処法
パワハラやイジメ、嫌がらせは正当化の余地はなく、許されるものではありません。パワハラを受けた側が我慢していると、さらにエスカレートし問題が深刻化します。早急に対応しましょう。
具体的な対処法としては、
- 園長や理事長に改善を求める
- 労働局などに相談する
- 慰謝料請求をする
- 辞めて転職する
が挙げられます。
園長や理事長に改善を求める
先輩保育士からイジメを受けているのであれば、その上司である園長に相談し、改善を求めると良いでしょう。
保育園側は、パワハラを認識していながら放置すると、適切な職場環境を調整しなかったという理由で、民法415条に違反するため改善するはずです。改善する意思がなかったら、保育園に損害賠償請求ができます。
労働局などに相談する
パワハラを受けたら、以下のような相談窓口に相談しましょう。
- 労働局の労働相談窓口
- 労働基準監督署
- 労働相談情報センター
- 労働事務所
- 労働委員会
- 労働局雇用均等室の相談窓口
慰謝料請求をする
損害賠償請求を考えているなら、弁護士へ法律相談をすることをおすすめします。
パワハラを受けた場合に被害者が請求できる損害は、慰謝料・治療費・休業損害などがあります。
辞めて転職する
パワハラが横行している保育園に未来はありません。被害者である自分が泣き寝入りするのは悔しいですが、パワハラが横行している職場で働き続けると精神的に追い込まれてしまいます。
そうなる前に思い切って転職して、早く健全な保育園で仕事ができるよう新しい職場を探しましょう。幸い、保育業界は常に人手不足ですので、就職先はいくらでもあります。
人手不足を理由に辞めさせてくれない場合は、退職を受け入れてくれないときの対処法をご確認ください。
まとめ
先輩保育士によるイジメはパワハラです。
パワハラを受けたら、加害者の上司に相談し、早急に改善を求めましょう。上司に相談するのが難しかったら、労働局に相談したり、いっその事、辞めてしまうことも視野に入れてください。
-
保育士の給料は手取りでいくら?現役保育士のリアルな月給を開示
【給与明細画像あり】「保育園」「企業内保育園」「病児保育室」で働いたことがある現役保育士の、毎月の給料と実際の手取り額を公開!これから保育園で働こうと考えている女性はもちろん、現役保育士の方もご参考にしてください。
続きを見る