アルバイトをはじめると、慣れるまではよくミスをするものです。仕事に慣れてきたときも、油断をしていると思わぬ場面で重大なミスをしてしまいます。
間違いは誰にでもあるものです。
ところが、お店によっては1度や2度のミスを理由に、「もう、来なくていい」とクビを宣告することがあります。
では、ミスをしたからと言った理由で、お店側はアルバイトをクビ(解雇)することはできるのでしょうか?解説します。
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バイトはクビにできる?
簡単に解雇はできない
働く人を雇うお店側が一方的に労働契約を終わらせ、アルバイトを辞めさせることを「解雇(かいこ)」と言います。
解雇は働く人の生活に与える影響が大きいため、簡単に解雇ができないよう、法律で厳しく制限されています。店長の気分や一時的な感情だけではバイトをクビにはできないのです。
以下は、その根拠となる厚生労働省の「労働契約の終了に関するルール」より抜粋です。
解雇の理由として、勤務態度に問題がある、業務命令や職務規律に違反するなど労働者側に落ち度がある場合が考えられますが、1回の失敗ですぐに解雇が認められるということはなく、労働者の落ち度の程度や行為の内容、それによって会社が被った損害の重大性、労働者が悪意や故意でやったのか、やむを得ない事情があるかなど、さまざまな事情が考慮されて、解雇が正当かどうか、最終的には裁判所において判断されます。
※太字は筆者によるもの
解雇するには、やむを得ない事由(理由)が必要です。誰がどう見ても「悪いことをした」と納得ができる理由が必要なのです。
たった1回の小さなミスで解雇はできません。
解雇ができる条件
たとえば、
- 勤務態度がすごく悪い
- 注意しても直す意思がみられない
- お店に大きな損害を与える
などは、解雇するための理由としては十分です。
もっと具体的に言うと、「無断欠勤が続いて注意しているのに直らない」「仕事中にサボることが多く、注意しても従わない」「不適切動画をSNSに投稿してお店の売り上げが下がった」などがあると、解雇できます。
逆に、バイトに慣れないころのたった一度のミスだけでクビにすることはできません。
バイトを「クビ」と宣告されたら?
解雇をする場合、雇う側は30日以上前に予告するか、解雇予告手当として30日分以上の給料を支払わなければなりません。
合理的な理由があっても、解雇を行う際には少なくとも30日前に解雇の予告をする必要があります。
予告を行わない場合には、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません。
つまり、「明日から来なくていい」「君はクビだ」と店長から解雇宣告をされたら、あなたは30日分の給料がもらえます。しばらくの間、お金の心配がないので、次のバイト先をゆっくり探せますね。
正直、店長の気分で「クビ」と宣告するようないい加減な職場で仕事はしたくないと思います。そんな職場で働き続ける必要はないので、不当ですがその解雇を受け入れ、30日分の給料だけをもらって辞めましょう。
お店には、「では、解雇予告手当を申請します。明日からの30日分の給料を支払ってください」と言いましょう。直接言いにくかったら、電話や手紙でも構いません。
まとめ
バイトをクビにするには、やむを得ない事由が必要です。バイトに慣れないうちのたった1度の小さなミスだけでクビにはできません。
もし、やむを得ない事由がないのに、店長の気分で「君はクビ」などとヒドイことを言われたら、そんな職場は今すぐ辞めましょう。
辞める場合は解雇予告手当がもらえるので、辞めた次の日から30日分の給料はきっちり請求しましょう。
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