バイトを探すとき、必ずと言っていいほど見るのが「求人票」。求人票にはバイトの条件が記載されており、そこには時給も明記されています。
時給の高さを見てそのバイトに応募する人も多いですが、働き始めると、求人票に書いてあった時給と、実際の時給が異なる場合があります。
求人票の時給より実際が低いと、「時給が高いから応募したのに!」と不満に思う人も多いはず。
そこでこの記事では、バイトの時給が「求人票」と「実際」が違うのは違法ではないのか?詳しく解説します。
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「求人票」と「実際」の時給が違うのは違法?
基本的に違法にならない
求人票や募集広告に記載されている時給は「見込み額」です。
「絶対にこの金額です」と確定的な時給ではなく、「これくらいの金額ですよ」といった目安です。
ですので、「求人票」と「実際」の時給が少しくらい違ったとしても、違法性はありません。
そもそも、確定的な時給はバイト面接などで明示されるはずです。それに合意して働いていたら、何ら違法性はありません。
違法となる場合は?
違法となる場合は、
- 「求人票」と「実際」の時給が大きく異なる
- 実際の時給について十分な説明がなかった
です。
求人票の時給を見て応募した人は、書いてあった見込み額に期待しているはずですから、見込み額を大きく下回る時給で働かせるのは違法です。過去に、慰謝料が認められた判例もあります。
また、採用時に求人票よりも時給が下がることについて書面などで説明がなかった場合、差額を請求できる可能性もあります。
たとえば、求人票に時給1,500円と記載があり、実際に働いてみると時給1,000円だったら、慰謝料や差額を請求できる可能性があります。
「研修期間」として時給を下げるのは違法?
研修期間の時給について法律に定めはありません。よって、バイト先が「研修期間中だから」という理由で時給を下げることは違法ではありません。
よく見る例が「研修期間中は時給-50円」といった求人票ですが、それは問題ありません。
ただし、その時給が最低賃金を下回るような金額は違法です。
求人サイトによって時給が違うのは違法?
求人サイトによって、時給が異なるケースもよくあります。
たとえば、求人サイト「バイトル」では時給1,000円となっていたのに、別の求人サイト「マッハバイト」では時給900円に下がっているケースです(あくまで例えです)。
前述したように、求人票に記載してある時給は「見込み額」ですので、求人サイトによって時給が異なるのは違法ではありません。
実際の時給は、求人票に記載のある金額ではなく、応募先であるお店や企業が定めている金額です。
なので、「バイトルの方が時給が高かったから」という理由でバイトル経由で応募しても、意味がありません。結局は同じ時給で働くことになります。
まとめ
バイトの時給が、求人票に書いてあった金額と、実際に働き始めてからの金額で違っていても、基本的には違法になりません。
なぜなら、求人票に記載してあった時給は目安であるからです。
ただし、事前に説明がなく、求人票よりも明らかに低い時給であった場合は、違法性が疑われます。この場合、求人票のコピーを証拠として保管しておき、バイト先と話し合いましょう。
話し合いで解決できそうにないなら、労働局などに相談してください。
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